ChatGPTのCode Interpreter(コードインタープリター)機能が話題!使い方や活用アイディアを紹介
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ChatGPTのCode Interpreter(コードインタープリター)機能が話題!使い方や活用アイディアを紹介

ChatGPTの新機能であるCode Interpreter(コードインタープリター)で何ができるのか?使い方や活用アイディアを紹介します。

ChatGPTで有料会員のみが使うことができるCode Interpreter(コードインタープリター)という機能が公開され話題になっています。Code Interpreterでどのようなことが出来るのでしょうか。

 

1.2 Code Interpreter概要

Code Interpreterは、ChatGPTでの今までの文章のやりとりに加えて、Pythonというプログラム言語を生成してくれるものです。これにより画像の生成や読み取り、編集、グラフの作成、さらにファイルの内容を分析するといったことが可能となりました。

プログラムを生成してくれるCode Interpreter機能ですが、大規模なシステム構築などは不可能で、チャットのやり取りの範囲となっています。また、現時点では読み取ったファイルの画像出力時に日本語が文字化けすることがあるようです。この場合は「日本語が文字化けする際は英語かローマ字に置き換えてください」とすれば自動で置換してくれます。

 

1.3 Code Interpreterを使う準備

Code Interpreterを使うためには、まずChatGPT Plusという月額20ドルの有料会員になる必要があります。次に、設定でCode Interpreterの機能を解放します。「Settings」から「Beta feature」を選び、「Code Interpreter」という項目があるので、これをオンにしましょう。

 

この設定だけではまだ使うことができません。ChatGPT開始時にChatGPT4を選び、さらにそこから「Code Interpreter」の項目を選びチェックを入れてください。チャットのフォームに「+」が出たら、ようやく使う準備ができました。この「+」はファイル添付の為のもので、様々なファイルを読み込むことが可能です。また「+」を押さずともドラッグ&ドロップでファイルを追加することも可能です。

実際にCode Interpreterを使ってみました。今回は、独立法人統計センター(出典元:https://www.nstac.go.jp/)の「47都道府県×12年次×多分野109項目」(SSDSE-B-2023.xlsx)からデータを使い、Code Interpreterで分析してみたいと思います。

Excelファイルの中味がどのような物なのか理解させるために「データを分析してみてください」と命令したところ、統計データの内容が羅列されました。

では次に「2020年の都道府県の総人口トップ10を棒グラフにしてください。」と命令してみました。どうなるでしょうか。

今までのChatGPTでは、このようなプロンプトでグラフ生成は出来ませんでしたが、Code Interpreterではグラフも生成できました。Excelデータから命令通りにグラフが出力され、更にほかのデータも提案してくれます。

今回は棒グラフで出力しましたが、円グラフ、ヒートマップ、折れ線グラフなど様々なグラフで出力もできます。また、「数パターンの棒グラフデザインを出力してください」と命令すれば、いくつかグラフを出してくれます。

2.2 Pythonのコードを自動生成

グラフが生成されたら「Show work」をクリックすると、どのようなPythonコードで出力されたのかを見ることができます。

Pythonコードの「import pandas as pd」という一行目のコードは、Pythonで使えるライブラリになります。PandasはExcelやCSV、テキストファイル、SQLファイルのデータを分析することにすぐれており、「data = pd.read_excel(ファイル名)」とすればその中を解析してくれます。グラフの作成は、また別のライブラリ「matplotlib.pyplot」が利用されています。

これらは、本来であれば一からコードを入力しなければなりませんが、ChatGPTに命令するだけで結果を出してくれるのがCode Interpreterです。もちろん出力されたPythonコードをコピーして自分で再利用することも可能です。

 

2.3 日本語文字化け対策

グラフの生成時、元のExcelファイルは日本語なのに文字化けすることがあります。これは、グラフ生成ライブラリ「matplotlib.pyplot」が日本語フォントをサポートしていないことが原因です。

その対策として、ファイルを添付する際にExcelファイルと一緒に日本語フォントを一緒に入れてZIPファイルで圧縮してアップロードしましょう。例えば、下記Googleフォントからフォントがダウンロードできるので試してみて下さい。 

<Googleフォント>https://fonts.google.com/?subset=japanese

「○○.ttf」というフォントファイルとデータのExcelファイルやcsvファイルを一緒のフォルダに入れ、そのフォルダごとZIPファイルで圧縮します。圧縮したZIPファイルをChatGPTにアップロードし、プロンプトの最後に「日本語フォントを使ってください」などと指示すれば文字化けが解決します。



ここまではCSVやExcelなどのデータ分析の話でしたが、Code Interpreterは、画像や動画の解析・編集、そのほかにも様々な使い方ができます。

 

3.2 画像や動画の簡単編集

画像を編集したい場合は、画像ファイルを読み込んで命令するだけです。「画像の解像度を50%にしてください。」と命令すれば50%になったファイルが生成され、ダウンロードリンクも作られます。

 

そのほか、ファイルフォーマットを.jpgから.pngに変換したり、「64色以下に減色」といった減色処理をしたり、ファイルサイズを指定サイズ以下に圧縮することなども可能です。

動画についても、.mov形式やiPhoneで撮影した動画ファイルをmp4形式に変換したり、また特殊な使い方として動画から音声を抜き取りMP3形式ファイルを生成、冒頭10秒をカット、解像度を変更するといったことも可能です。

ただし、読み込めるファイルは512MBまでで、大きすぎる動画はエラーとなってしまいます。

 

3.3 QRコードの生成

画像や動画の加工編集のほかに、QRコードの生成も可能です。指定したURLや文字列を「QRコードにしてほしい」と命令すれば生成してくれます。

 

3.4 パワーポイント資料も作成可能

Code Interpreterではパワーポイント資料の生成も可能です。テーマを決めてスライドの時間やどのくらいのボリュームで作成したいかを命令すれば、パワーポイントファイルを作ってくれます。

 

今回は、前述した独立法人統計センター(出典元:https://www.nstac.go.jp/)の「47都道府県×12年次×多分野109項目」(SSDSE-B-2023.xlsx)のファイルを元に、パワーポイントのスライドファイル(.pptx)を生成してみました。と命令して生成されたファイルには、文章・グラフを差し込んで作ることができました。

最初に添付したExcelファイル、csvなどのデータを元にパワーポイントを作成し、これまでのやりとりの中で生成されたグラフをスライドの中に入れるように指示できるほか、追加で画像データも添付しスライドに中に入れるように命令することができます。

 

なお、パワーポイントに重要なデザインですが、現状ではデザインに関する命令をしても「現在の環境では高度なデザインのカスタマイズは制限されています」と返ってくることから、あまりデザインには期待が持てないようです。プロンプトで指示できるのは必要最低限のフォント、文字色、バックグラウンドカラー程度で、あくまでパワーポイントの草案作成といった機能でしょう。

3.5 翻訳も可能

テキストファイルの文章を認識させ、翻訳することも可能です。例として、BBCに関する英文のWikipediaから日本語に翻訳してみました。精度はDeepLなどの専門的な翻訳ツールほうが上でしょうが、簡易的な翻訳は可能となっています。

またアップロードしたテキストファイルを他のファイル形式に変換なども可能です。

Code Interpreterはマーケターにとっても注目すべき機能であると言えます。例えば、行動変数(過去の購買状況、使用頻度、求めるベネフィット、購買パターン、返品に対する態度など)のデータから、未来の顧客行動を容易に予測することができるようになるかもしれません。

 

ここでは試しに、2020年までの統計データファイルを読み込ませ、今後10年の人口推移をグラフ化してみました。「ファイルを分析し今後10年の予測をし、人口の多い都道府県と少ない都道府県5つをそれぞれグラフにしてください」と命令した結果、2030年までの人口予測推移グラフが出力されました。

 

4.2 予測結果の利用には注意が必要

このように容易に未来を予測することができますが、結果を利用するには注意が必要です。予測の結果は用いたモデルや手法によって異なるため、当然ながら結果の解釈と利用には注意すべきです。結果の妥当性を人間の目でしっかり確認したほうがよいでしょう。

ChatGPTの新機能Code Interpreterは、現状はまだβ版ではありますが、様々な可能性があると感じました。

しかし、データ解析や未来予測など専門的なことについては、まだ精度が低いと思われるため、ChatGPTに頼るのは1つの手段としたほうがよいでしょう。

ChatGPTの良いところを上手く使いながら、今後の性能がどう上がっていくか注目していきたいと思います。